大学物理の独言

物理学に関連して自分が学んだことを不定期で書いていきます。依頼や要望、ご指摘等はコメントまで

解析力学

二重振り子

下の図に示すような二重振り子の運動について考えたい。この運動を加速度と働く力からそれぞれに考えようとすると、現象が複雑すぎてとてもではないが運動方程式にたどり着けない。このとき、オイラー・ラグランジュ方程式が高い効果を発揮する。 まずはラグ…

ハミルトン・ヤコビの理論

正準変換により、座標を取り替えて運動を議論することができるようになる。今回はこの操作を用いて、物体とともに移動する座標系を考えてみたい。新しい座標系でのハミルトニアン は、座標変換前のハミルトニアン と母関数 を用いてと表せる。これによって …

正準変換・ラグランジアンの任意性

作用 は、ラグランジアン を用いてと表される。実は、この変分 が 0 になるようなラグランジアンにはある程度の任意性がある。これまでによく考えてきたような運動エネルギーとポテンシャルの差で表されるラグランジアンを として、というのを考えてみよう。…

ポアソン括弧

ハミルトニアン を用いた運動方程式である正準方程式は、座標を 、運動量を としてである。これはオイラー・ラグランジュ方程式と比べてシンプルだが、一方のみが右辺にマイナス記号を必要としていて、少々覚えづらいし両者の対称性が損なわれている。少しや…

ルジャンドル変換・正準方程式

解析力学の世界では、運動方程式にはいくつかの表現方法が存在する。そのひとつがラグランジアンを用いたオイラー・ラグランジュ方程式だが、今回紹介するのはハミルトニアンというのを用いた運動方程式である。こちらの方が、運動方程式の形がシンプルでわ…

ネーターの定理

エネルギー保存則だとか運動量保存則だとか、物理学では色々な物理量に関する保存則が存在する。保存量を見つければそれだけで現象の理解に役立つことは力学を学ぶ中で経験的に感じているだろうが、じつは、保存量を見つける方法というのが存在しているので…

変分法・最速降下線

これまでの力学は、運動の変化のしかたを表す式に初期条件や境界条件を代入することによって、細かく区切った時間ごとの様子を調べていくものだった。しかし、変分法を使えば、初めと終わりの条件を設定することによって様子を追うことができてしまうのであ…

オイラー・ラグランジュ方程式

運動方程式は物理学でも特に重要だが、色々な座標系で使うには少々面倒なのである。デカルト座標で考えるにはシンプルだが、極座標に変換すると遠心力だとかの項が出てくるから覚えるのが大変だし、それ以前に新しい座標での運動方程式の導出が手間である。…