大学物理の独言

物理学に関連して自分が学んだことを不定期で書いていきます。依頼や要望、ご指摘等はコメントまで

2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧

角運動量保存則と面積速度一定の法則

と の外積は として計算される。この大きさを調べてみると、実は と がなす角を として が外積の絶対値になるのである。これはつまり、外積の絶対値が下の図で着色された平行四辺形の面積に等しいということを意味している。当然、 や が大きければ、この面…

連成振動

単純な単振動の運動方程式は難しく考えずとも解くことができるのだが、下の図のように取り付けられた質点が別のバネと質点の影響を受けるような場合には、少々面倒な計算過程を経ることになる。とりあえず力の働き方を考えてみよう。図の左の質点を質点1、右…

単振動

単振動は、力学を考えていると頻繁に登場する。 バネに取り付けた質点が最もわかりやすい例だが、そのほかにも単振動に近似できる、つまり「ほぼ単振動みたいなもの」というものも含めれば、今回は扱わないが原子間力によっても単振動と見ていいような運動が…

斜面を転がる剛体

回転運動の運動方程式を別の記事で扱ったわけだが、これを単独で使用してもただその場で回転する物体の運動しか理解することができない。 もう少し日常の中でよく見る運動、例えば斜面を転がる剛体の運動などを理解するためには、これだけでは不充分である。…

回転の運動エネルギー

剛体が回転する時の運動方程式については別の記事で扱っているが、もう一つ考えられると便利なのは回転している物体が持つエネルギーである。 強く回転させたボールを真下に落下させると鋭く横方向に跳ねることからもわかるように、回転の運動エネルギーとい…

慣性モーメントと回転の運動方程式

質点の運動について考えるのは力学では最も初歩的で基礎となるが、実際のところ質点として考えることのできる物体は多くなく、大抵の場合はその回転運動などの要素も考慮しなければならない。 そこで、剛体という概念を導入し、もう少し日常で起こる現象に近…

重心の運動方程式と相対運動

よく出てくる運動方程式というのは、ひとつの物体の運動について記述する。 に登場する はある質点の質量だし、 と もそれぞれ質点の座標と質点に働く力である。 では、質点がふたつあったとき、ふたつの運動はどのように関係し合うのだろうか? あるいは、…

運動量保存則と力積

運動方程式は多くの現象で と表されるが、これは質量が一定だった場合の話である。 質量が時間に依存して変化する場合も考慮すると、より一般的には と書かれなければならない。 この式から、外力がない、すなわち という特別な場合について考えると、 の微…

極座標での運動方程式

物理学ではどのような座標で運動を考えてもよい。 それは、軸、軸、軸から考える座標系(これはデカルト座標と呼ばれる)だけではなく、原点からの距離と方向によって位置が示されるような極座標系や、その他の基準を元に位置を指示するようなものでも運動を記…

慣性力

以前の記事で、一部の座標系では運動方程式を立てる際に少々の工夫が必要になることを言った。 これは、実際には存在しないにもかかわらず、新しい座標上に立って見てみるとまるで働いているかのように見える「見かけの力」が発生することがあるためである。…

エネルギーとはなんなのか

エネルギーとは、ある物体が内包している、別の物体に対してすることのできる仕事の総量のことを言う。 エネルギーの形態には運動エネルギーやポテンシャルエネルギー(位置エネルギー)、熱エネルギーなどと様々なものがあり、物体の様子が変化する時にはエネ…

運動方程式とその任意性

運動方程式は、力学の中で最も重要な公理といって良い。 ここで公理と言ったのは、運動方程式が別の法則などから論理的に導き出されたものではなく、「どうやらそうなっているらしい」というように実験的に求められた公式だからである。 しかし、このことか…

物理学における次元

今回考える次元とは、4次元ポケットだとか、宇宙は11次元でできているだとかで言う次ものとは別物である。 ここでの次元とは、単位の一種だと考えてよい。 といっても、我々が小学生の頃からよく知っているような、長さを表すものだけでも[mm] [cm] [m] [km]…